【特 集 :RDF(ごみ燃料)】

札幌市における固形燃料化事業について

三 浦 広 仁*

【要 旨】 自治体の実施する廃棄物処理事業の多様化する中,札幌市では焼却・埋立処理を両軸に清掃事業を推進してきたが,5年前から固形燃料化事業に取り組み始めた。同事業の実施背景には,全廃棄物処理量のうち事業系廃棄物の占める割合が約6割と高い札幌特有の事情があった。稼働から5年が経過する中で,様々な問題を克服しながら運転を行い,ひたすら燃料の安定供給と品質の維持を保ってきた。特に,良質の原料確保のために焼却・埋立と資源化施設に処理料金格差を設けたりするなどした。設備の改善を行い,品質の維持・向上と作業環境の改善にも努力しているところである。こうした努力の結果,近年ようやく安定操業を行うことが可能となった。しかし,今後も多くの課題を抱えて事業を継続しなければならないことには変わりなく,需要家を含めた協力体制で事業を行わなければならない。

キーワード: 燃料の品質,原料確保,需要家との協力体制

廃棄物学会誌,Vol. 7, No.4, pp.316-325, 1996

原稿受付 1996.6.6

* 札幌市環境局清掃部施設課 技術職員

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