環境リスク管理のための電位分布歪み法による漏水検知モニタリング網の設計
古 市 徹*・押 方 利 郎**・海老原 正 明***・田 中 勝****・花 嶋 正 孝*****
【要 旨】 最終処分場における浸出水の漏水を検知するためのモニタリング網の設計は,漏水に起因する環境リスクの管理の視点から行う必要がある。そこで筆者らは,電位分布の歪みを捕らえることで,しゃ水シートの破損発生による漏水を検知する方法について,漏水流量と測定精度との関係を検討した。すなわち,漏水に起因する環境リスクを管理する上で重要な漏水流量と,モニタリング網の設計で明らかにする必要がある破損の大きさ・位置の測定精度を決定する測定間隔・測定電流量との定量的な関係について,模型実験と数値シミュレーションを用いて解析した。そしてその解析結果に基づいて,環境リスクを管理するために必要となる,漏水検知モニタリング網の設計条件を明らかにした。
キーワード: 最終処分場,しゃ水シート破損,漏水流量,環境リスク,漏水検知
廃棄物学会論文誌,Vol. 7, No.5, pp.253-261, 1996
原稿受付 1995.12.25
* 大阪府立大学工学部エネルギー・環境工学講座
** 福岡大学大学院工学研究科
*** 大成建設株式会社 技術開発第二部
**** 国立公衆衛生院 廃棄物工学部
***** 福岡大学工学部土木工学科
連絡先:〒593 大阪府堺市学園町1-1
大阪府立大学工学部エネルギー・環境工学講座 古市 徹