【論  文】

廃棄物海面埋立処分場計画における事業収支面からの適正化に関する研究

高 浜 繁 盛*・古 市   徹**・羽 原 浩 史*

【要 旨】 廃棄物海面埋立処分場の事業構想段階において,事業を適正に推進するために事業収支を評価基準とした場合の検討方法を提案した。事業収支を検討する際の関連情報を整理したうえで,検討に重要な影響をおよぼす要因を抽出して事業収支シミュレーションを実施した。選定した要因は,事業手法,施設規模,各種廃棄物受入比率ならびに受入単価の4種類である。検討の結果,事業手法が異なっても事業が実施可能となる要因の組み合わせは存在することが明らかになった。このことから事業構想段階で事業収支が適正となるような条件を検討する場合,各要因について許容範囲内で自由度を持たせたケースの設定を行い,並行して検討を進めていく方法が有効であることがわかった。また,シミュレーション結果の分析に基づいて廃棄物海面埋立処分場の事業構想の立案手法を提案した。

キーワード: 廃棄物,海面埋立処分場,事業収支,適正化,計画

廃棄物学会論文誌,Vol. 7, No.5, pp.270-279, 1996

原稿受付 1995.12.22

* 復建調査設計(株)

** 大阪府立大学工学部エネルギー・環境工学講座

連絡先:〒732 広島県東区光町2-10-11

復建調査設計(株) 環境技術部 高浜 繁盛