溶出試験による廃棄物の毒性評価――バイオアッセイの適用を考える――
金 子 栄 廣*
【要 旨】 廃棄物の有害性を,特に毒性面から評価する手法として溶出試験は広く用いられてきた。溶出試験はその手法上,廃棄物のサンプリングから溶出液を得るまでの溶出液作成プロセスと,その溶出液の毒性を評価する毒性評価プロセスに分けることができる。本稿では,主に毒性評価プロセスに焦点を当て,従来から一般的に用いられてきた分析的手法の欠点を補う手法として,バイオアッセイを適用することの有用性と,これを廃棄物の毒性評価に適用するために解決すべき課題について述べた。
キーワード: 溶出試験,毒性評価,バイオアッセイ
廃棄物学会誌,Vol. 7, No.5, pp.394-402, 1996
原稿受付 1996.7.25
* 山梨大学工学部 助教授
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