都市ごみRDF生産のモデル化による原料ごみ選択の検討
松 藤 敏 彦*・田 中 信 寿*・金 贏 載*
【要 旨】 RDF生産においては,どのようなごみを原料とするかの選択が,プロセス構成やRDFの性状を最も左右する要因である。そこで,本論文では可燃ごみを基準として,エネルギー削減のための厨芥排除シナリオ,燃焼時の塩化水素ガス発生対策のためのプラスチック排除シナリオを考え,物質収支,コスト,エネルギー収率について考察した。原料に厨芥を含めることで,RDF生産熱量あたりコスト,エネルギー収率はやや不利となるが,搬入ごみあたりではコストダウンとなる。コスト,エネルギー収率ともに施設規模の影響が大きく,人口5万人程度以上の自治体であれば,焼却などのごみ処理コストと同程度でRDFが生産できる。プラスチックを排除すると,塩化水素ガス発生量の削減には効果があるが,コスト,エネルギー面でのマイナス効果が大きい。特に,人口規模が小さい自治体ではエネルギー収率がゼロに近くなってしまう。塩化水素ガス対策は他にも方法があるので,プラスチック排除は望ましくない。
キーワード: ごみ燃料,都市ごみ,ごみの分別,コスト,エネルギー
廃棄物学会論文誌,Vol. 7, No.6, pp.295-304, 1996
原稿受付 1996.3.18
* 北海道大学工学部衛生工学科
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北海道大学工学部衛生工学科 助教授 松藤 敏彦