小型流動床式都市ごみ焼却炉におけるクロロベンゼンおよびクロロフェノールの測定
李 源 *・高 月 紘**・武 田 信 生***・岡 島 重 伸****
【要 旨】 本研究では都市ごみ焼却炉のガス中のクロロベンゼンおよびクロロフェノールを測るために,サンプリング方法と分析方法を提案した。サンプリング系について,ドレントラップの温度および捕集ガス速度を変え,この変化が捕集率に与える影響を調べた。実験結果によると,低い温度のドレントラップと遅い速度で捕集ガスを流すことにより高い捕集率が得られた。捕集したガスを分析するため,標準物質を利用した回収実験の結果を基本として前処理方法を提案した。回収実験中の標準物質の損失は20%以下だった。以上のサンプリング方法と分析方法を用いて,小型流動床炉からのガスおよび二次燃焼室からのガス中のクロロベンゼンとクロロフェノールの濃度を測定した。
キーワード: クロロベンゼン,クロロフェノール,捕集系,抽出方法,前処理方法
廃棄物学会論文誌,Vol. 7, No.6, pp.330-338, 1996
原稿受付 1995.7.10
*京都大学衛生工学専攻
**京都大学環境保全センター
***京都大学大学院工学研究科環境工学専攻 教授
****川崎重工業(株)
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