【特 集:循環型社会構築に向けての廃棄物経済の課題と展望―研究委員会研究活動(経済部会)―】

リサイクル政策の今後の課題

野 原   諭*

【要 旨】 昨年6月,容器包装に係る分別収集および再商品化の促進に関する法律が制定され,わが国のリサイクル政策も新たな局面を迎えた。本稿では,リサイクルの推進にあたって本格的なルールを設定した同法の評価と同法が抱える中期的な課題を紹介するとともに,同法の制定を皮切りにした今後のリサイクル政策に関して,その主要な課題を示している。具体的には,使用済み製品や副産物といった分野別の課題,リサイクル法制全般を通じた課題をあげている。さらに今後の検討課題として次の二点を明らかにした。1)リサイクルの拡大,環境保全の進展を考慮した技術革新(イノベーション)への誘導2)リサイクル,コスト分析によるリサイクルの目標値の設定

キーワード: 容器包装に係る分別収集および再商品化の促進に関する法律,リサイクル法制度,技術革新,コスト分析,LCA

廃棄物学会誌,Vol. 7, No.6, pp.456-461, 1996

原稿受付 1996.11.20

* 通商産業省 環境立地局リサイクル推進課 課長補佐

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