【論  文】

準好気性廃棄物埋立地内浸出水集排水管への空気流入に関する理論的研究――管網の場合――

田 中 信 寿*・松 藤 敏 彦*・金  英 圭**

【要 旨】 準好気性埋立地の浸出水集排水管内の空気流について,集排水管が管網になっている場合の管内空気流速計算法を示し,複雑な管網でもパソコンレベルの計算機で容易に計算できることを示した。さらに,計算のための標準埋立地を設定して各種因子の影響を明らかにした。温度・加温因子については,外気温度,管壁温度,および管壁から管内空気への熱伝達係数の影響は管内空気温度上昇度という1つの尺度で評価できる。埋立深さの影響はほとんどなかった。主管の径は1m以上で最大の空気流入量を与え,0.4m以下では十分な空気量を供給できない。枝管の径は小さいほど小さな空気流入量となり,0.15m以下では十分な空気量を供給できない。管間隔については枝管間隔が大きい程小さな空気流量となるが,50mまで大きくなっても十分な空気流入が可能である。

キーワード: 準好気性埋立構造,空気流入,浸出水集排水管網,管設計

廃棄物学会論文誌,Vol. 8, No.1, pp.1-8, 1997

原稿受付 1996.4.4

* 北海道大学工学部

** 全北大学工学部

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北海道大学工学部衛生工学科 田中 信寿