【論  文】

6相交流アーク放電の廃棄物処理への応用

松 浦 次 雄*・谷 口 慶 治*・牧 田 廣 一*

【要 旨】 この論文は6相交流アーク放電によって生じる高熱を,ゴミの焼却灰あるいは産業廃棄物等を溶融,固形化するのに利用する方法について述べている。6相交流の放電時の電圧,電流,消費電力の関係,さらに高速VTRを用いて放電状態を観測した結果よりその特徴を明らかにしている。6相交流の理論上の放電径路の数は3相交流の場合に比べて5倍,放電空間の広さは6倍になり,3相の場合に比べて,高温が得られる空間が広い。この方式では放電空間にプラズマが連続的に発生しているので,放電状態が常に持続されており,安定した連続放電が得られる。アークプラズマが放電空間で高密度に発生している特長的な現象を,廃棄物処理に応用する場合について検討した。

キーワード: 6相交流,アーク放電,熱プラズマ,廃棄物処理

廃棄物学会論文誌,Vol. 8, No.1, pp.9-15, 1997

原稿受付 1996.4.5

* 福井大学 大学院工学研究科

連絡先:〒910 福井市川合鷲塚町61

福井県工業技術センター 松浦 次雄