気流模型によるごみ焼却炉内のガス流動および混合に関する研究――コールドモデルにおける注入流跡法可視化実験――
角 田 芳 忠*・安 達 弘 幸*・田 中 信 寿**・松 藤 敏 彦**
【要 旨】 ごみ焼却炉内の現象を明らかにするために,透明気流模型とビデオ装置を用いて,炉内ガス流動の可視化実験を行った。トレーサとしてのシャボン玉流跡の座標データから,流跡線図・混合指標・流速ベクトル図を得た。流跡線図により炉内のガス流れを視覚的にとらえ,流速ベクトル図により渦領域や二次空気噴流による流れの変化を明らかにすることができた。流れの重なりにより定義した混合指標を用いて,二次空気の本数・設置位置・流量およびノーズの影響を相対的に評価した。流跡データ,流速ベクトル図など実験的基礎データの蓄積により,数値シミュレーションの有効性を検証することが可能になった。
キーワード: ごみ焼却炉,気流模型,可視化,流跡線図,流速ベクトル
廃棄物学会論文誌,Vol. 8, No.1, pp.22-30, 1997
原稿受付 1996.3.18
* (株)タクマ プラント計画本部環境技術1部
** 北海道大学工学部衛生工学科
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(株)タクマ プラント計画本部環境技術1部 角田 芳忠