各種有機性汚泥からの活性炭の製法および処理廃液中の重金属除去
森 田 啓次郎*・松 永 和 義*・近 藤 基 一*・板 谷 勉・森 忠 繁*・斉 藤 巧**・日 向 博 久*
【要 旨】 下水汚泥の減量化・再資源化を目的として下水汚泥から活性炭の製造方法について既に報告した。本論文では,KOH-HCl処理の改良法が種々の有機性汚泥に適用できるか否か,また活性炭の製造中に生じる処理廃液の処理法について検討した。下水汚泥2種,浄化槽汚泥2種,し尿処理汚泥,合成繊維工場および乳製品工場の汚泥などの有機性汚泥から作製した活性炭はメチレンブルー吸着性能が140〜350ml/g,比表面積が460〜1,771m2/gであった。KOH処理およびHCl処理の廃液には種々の重金属が含まれているので,それらの重金属を中和凝集処理により除去した。処理排水の水質は排水基準値以下であった。乾燥汚泥から得られた活性炭製品の収率は8〜19%であった。
キーワード: 有機性汚泥,活性炭製造方法,KOH-HCl処理,重金属除去,凝集処理
廃棄物学会論文誌,Vol. 8, No.1, pp.41-49, 1997
原稿受付 1996.5.7
* 岡山県環境保健センター
** 川崎製鉄(株)
連絡先:〒701-02 岡山市内尾739-1
岡山県環境保健センター 森田啓次郎