【特 集 :有害化学物質管理と廃棄物】

レスポンシブル・ケアと廃棄物

川 又 元 夫*

【要 旨】 レスポンシブル・ケアとは化学物質の全ライフサイクルにわたって,化学業界が自主的に環境・健康・安全に配慮した事業を行う国際的な活動である。平成7年に発足した日本レスポンシブル・ケア協議会は,日本でのこの活動の中心となる組織であり,平成9年1月時点で日本の化学業界の79社が加盟している。世界的には約5,000の企業が参加しており,国連などの国際機関も認知している国際的な活動である。協議会の会員企業は毎年活動の計画をたて,活動の成果は報告書の形で協議会に提出するが,協議会は,この結果を総合して世の中に公表することを行っている。具体的な活動としては,廃棄物の自主的な削減として,(1)2010年における産業廃棄物の外部委託最終埋立処分量を1990年基準で40%削減する,(2)2010年における産業廃棄物のリサイクルを1990年基準で15%向上させる,との計画をたて実行している。

キーワード: レスポンシブル・ケア,日本レスポンシブル・ケア協議会,自主活動,化学業界,廃棄物削減

廃棄物学会誌,Vol. 8, No.2, pp.113-118, 1997

原稿受付 1997.1.13

* 日本レスポンシブル・ケア協議会

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