家庭系ごみリサイクルの影響因子に関するバンクーバー(カナダ)と札幌の比較研究
デイビット・ダンゲート*・松 藤 敏 彦*・田 中 信 壽*・アレク・オストリ**
【要 旨】 市民の家庭系ごみリサイクルの影響因子を,北米と日本の間で比較した。調査の対象はカナダのバンクーバーと日本の札幌で,どちらも地域の中心都市であり,ごみ発生量,資源化率は同程度である。両市においてアンケートを行い,リサイクルの動機,活動の程度を調査した。因子分析により解析したところ,両市におけるリサイクルの動機はほぼ同じ構造であることがわかった。リサイクルの実践には環境保護といった利他的な因子が,リサイクルしないのは回収システムの欠如が,それぞれ主な理由となっている。調査項目中のいくつかの動機には違いが見られたが,文化の違いより,現在の回収システムの違いによると考えられる。
キーワード: 日本,カナダ,家庭系ごみリサイクル,リサイクルの動機
廃棄物学会論文誌,Vol. 8, No.4, pp.157-165, 1997
原稿受付 1996.9.9
*北海道大学工学部衛生工学科
**ブリティッシュ・コロンビア大学健康福祉部
連絡先:〒060 札幌市北区13条西8丁目
北海道大学工学部衛生工学科 松藤 敏彦