都市ごみ破砕選別施設における破砕選別残渣の特性に関する研究
関 戸 知 雄*・田 中 信 壽*・松 藤 敏 彦*・松 尾 孝 之*
【要 旨】 都市ごみ破砕選別施設において有価物回収後に発生する不燃残渣や可燃残渣などを,5つの施設から採取し,それらの物理組成や強熱減量などを測定した。埋立処分される不燃残渣の強熱減量は,粗大ごみの破砕選別の不燃残渣で約50%,不燃ごみの不燃残渣で約20%であることがわかった。このように,不燃残渣の性状は主として搬入ごみ種の影響を強く受けることがわかった。さらに,手選別で分類して物理組成を求めることが難しい5.6mm以下の小粒径物について,木,プラスチック,紙,金属,その他不燃物の5種類に分類する方法を提案し,不燃残渣全体の物理組成を把握した。これによって,破砕選別施設における組成別の物質収支を推定することができた。
キーワード: 破砕選別施設,破砕選別残渣,物理組成,強熱減量,物質収支
廃棄物学会論文誌,Vol. 8, No.5, pp.190-199, 1997
原稿受付 1996.11.25
* 北海道大学工学部 衛生工学科
連絡先:〒060 札幌市北区北13条西8丁目
北海道大学工学部衛生工学科 田中 信壽