SLCAを用いた容器類の収集・再資源化システムの違いが環境に与える影響の評価
中 野 加都子*・三 浦 浩 之*・和 田 安 彦*
【要 旨】 容器包装リサイクル法の施行に向けて,リサイクルに関わる環境への影響を低減化していくためには,収集・再資源化システムを機能単位としてとらえたSLCA(Service Life Cycle Assessment)を実施する必要がある。これは,現在最も一般的に行われている製品を対象としたPLCA(Products Life Cycle Assessment)とは別の切り口からのアプローチである。本論文は,ある都市で実際に行われている容器類の収集・再資源化システムにSLCAを適用し,都市規模の似た別の都市で行われている収集・再資源化方式を採用した場合との環境への影響を比較することにより,環境負荷の少ないリサイクルシステムを検討するためのケーススタディを行ったものである。その結果,収集・再資源化方式を変更することによる環境への影響の違いと,リサイクルを行ううえで「収集」が強い影響をおよぼすことを明らかにした。
キーワード: 収集・再資源化システム,リサイクル,SLCA,インパクト評価,容器
廃棄物学会論文誌,Vol. 8, No.6, pp.288-295, 1997
原稿受付 1996.5.27
* 関西大学工学部環境工学研究室
連絡先:〒564 吹田市山手町3-3-35
関西大学工学部環境工学研究室 和田 安彦