【特 集 :温暖化問題と廃棄物】

電力会社における地球環境問題への取り組み――関西電力(株)での事例――

北 村 耕 一*

【要 旨】 関西電力(株)は,地球環境保全を重要な経営課題の一つとして位置づけ,具体的な行動計画である「関西電力地球環境アクションプラン」を策定し,全事業分野において具体的な活動を着実に推進している。さらに,あらゆる企業活動においてCO2削減の可能性を追求するために,総合的な対策として「ニューERA戦略」を展開している。「ERA」はEfficiency(エネルギー利用の効率化),Reduction(電力生産におけるCO2排出量の削減),Absorption(自然界の吸収源の拡大)の頭文字をとったものである。すなわち,原子力の推進や火力発電所での熱効率の向上などにより化石燃料への依存度を下げるだけでなく,省エネルギーをお客さまに呼びかけたり,自然界の生物などを利用したCO2の吸収・固定化の研究を進めるなど,E,R,Aの三つの対策をバランスよく進めている。

キーワード: 地球環境アクションプラン,ニューERA戦略,ベストミックス,排煙脱炭,負荷平準化

廃棄物学会誌,Vol. 8, No.6, pp.447-456, 1997

原稿受付 1997.8.18

* 関西電力(株)立地環境本部 地球環境グループ課長

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