【特 集 :温暖化問題と廃棄物】

地球温暖化とごみ減量――グリーンコンシューマー活動を中心にNGOの立場から――

瘁@本 育 生*

【要 旨】 今年12月に京都で気候変動枠組条約第3回締約国会議が開催される。この条約の中味である議定書作成の交渉には,環境NGOが深く関わってきた。さて,温室効果ガスである二酸化炭素の発生源のうち,直接ごみの焼却によるものは少ないが,ごみになっている製品や容器包装の製造・流通にかかるエネルギーや,大量廃棄が大量生産,大量消費を可能にしていたことを考察すると,ごみをその発生から減少することは,温室効果ガス削減には必須である。その一つの重要な取り組みとして消費者によるグリーンコンシューマー活動とそれに呼応する流通小売業界の活動がある。日本においては,グリーンコンシューマーはまだ少ないといわれているが,着実に運動は広がってきており,近い将来大きな影響力をつくりだせる可能性がある。ただごみ減らしも地球温暖化対策も最も大切なのは,人々の価値観の変革とそれに基づく実際の行動である。

キーワード: 気候変動・地球温暖化,二酸化炭素,ごみの発生抑制,グリーンコンシューマー,パラダイムシフト,

廃棄物学会誌,Vol. 8, No.6, pp.457-469, 1997

原稿受付 1997.9.3

* 気候フォーラム 事務局次長

環境市民事務局 責任者

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