【特 集:埋立地における高塩類問題と技術的対応―研究委員会研究活動(埋立処理処分部会)―】

仙台市における最終処分場の維持管理と高塩類問題

高 野 芙美子*・庄 司 岳 志*・小 松 利 充*

【要 旨】 仙台市が管理する埋立処分場は,ごみ焼却施設から排出される焼却残渣を主体に埋立てており,浸出水には焼却残渣中の水溶性のカルシウムや塩素等の無機塩類が多量に含まれている。そのため,浸出水の処理ではカルシウムスケールや塩腐食が問題となり,生物処理に主眼をおいた水処理技術だけでは対応が難しく,埋立処分場の維持管理には,このような高濃度無機塩類問題の対策が求められている。そこで,今回は仙台市における埋立処分場の現状と管理についてまとめた。

キーワード: 埋立地,焼却残渣,浸出水質,カルシウム

廃棄物学会誌,Vol. 8, No.7, pp.523-528, 1997

原稿受付 1997.10.27

* 仙台市環境局施設部施設課

連絡先:〒984 仙台市若林区今泉字上新田103

仙台市今泉工場内 高野 芙美子