【特 集:埋立地における高塩類問題と技術的対応―研究委員会研究活動(埋立処理処分部会)―】

逆浸透法による浸出水の高度処理

★   甬 生*・田 中 俊 博*・伊 藤 三 郎*

【要 旨】 本研究では,浸出水中の高塩類および有機汚濁物の高度除去を目的として逆浸透(RO)法による検討を行うとともに,RO濃縮水を電気透析(ED)および蒸発乾燥法による塩類濃縮処理の検討を行った。塩類濃度の極めて高い某処分場の凝沈処理水を原水として実験を約1年以上継続した。ROの前処理として精密ろ過(MF)膜を用いて実験した結果,MF処理は有効な前処理法であると認められた。RO膜についても安定した処理水量と良好な処理水質が得られた。また,MFおよびRO膜については透過水量,洗浄薬品と洗浄頻度の最適操作因子を明らかにした。さらにED処理では,良好な脱塩性能が得られ,蒸発乾燥法との併用で塩類濃縮がより効率であると認められた。

キーワード: 精密ろ過膜,逆浸透膜,電気透析,脱塩,COD

廃棄物学会誌,Vol. 8, No.7, pp.540-546, 1997

原稿受付 1997.10.14

* 株式会社 荏原製作所

連絡先:〒251 神奈川県藤沢市本藤沢4-2-1

株式会社 荏原総合研究所内 応用技術部 葛  甬生