【特 集:埋立地における高塩類問題と技術的対応―研究委員会研究活動(埋立処理処分部会)―】

膜ろ過技術による浸出水処理

牛 越 健 一*・梶 山 吉 則*・小 林 俊 幸*・土 谷   聡*

【要 旨】 埋立地浸出水の脱塩処理において,逆浸透法は浸出水中の高濃度の塩類を除去できるのみならず同時に重金属,難分解性有機物も除去することができる。Rochem社の開発したプレート&フレーム型のROモジュール,DT-Moduleを用いた浸出水処理システムを,日本の焼却残渣を主体とする高塩濃度の浸出水の処理に適用する実験を行ったところ,95%の高回収率で安定した運転結果が得られ,処理水質は水道水レベルの良好な水質であった。濃縮排水の処理については,いくつかの方法が提案されており,逆浸透法浸出水処理装置と濃縮排水処理装置を組み合わせることにより,水道水レベルの清澄な処理水を得ることのできる浸出水処理システムの構築が可能となった。

キーワード: 浸出水処理,逆浸透法,ナノフィルター,DT-Module,高塩類

廃棄物学会誌,Vol. 8, No.7, pp.553-562, 1997

原稿受付 1997.10.30

* 神鋼パンテツク株式会社

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神鋼パンテツク株式会社 技術開発本部 牛越 健一