【研究ノート】

都市ごみ焼却施設における排ガス中の一酸化炭素自動計測器の特性

谷 川   昇*・浦 野 紘 平**

【要 旨】 都市ごみ焼却施設の排ガスを対象に,複光束型と単光束型の赤外線吸収方式の一酸化炭素自動計測器(CO自動計測器)の特性を調べる実験を行った。15種類の共存ガスを加えた実験から,CO2とN2Oが複光束型のCO自動計測器の測定値に正の影響を与え,また,CO2が単光束型のCO自動計測器の測定値に負の影響を与えることがわかった。このため,CO濃度範囲が約10〜50ppmの都市ごみ焼却施設の排ガス測定において,複光束型と単光束型のCO自動計測器の測定値には約4ppmの差が認められた。したがって,排ガス中の低濃度のCOを正確に連続測定するには,使用するCO自動計測器に与えるCO2,N2O等の共存ガスの影響をあらかじめ把握し,測定値に補正を加える必要がある。

キーワード: 一酸化炭素,自動計測器,赤外線吸収,都市ごみ焼却

廃棄物学会論文誌,Vol. 9, No.2/3, pp.104-107, 1998

原稿受付 1997.9.1

* 東京都清掃研究所

** 横浜国立大学工学部物質工学科

連絡先:〒135-0064 東京都江東区青海二丁目地先

東京都清掃研究所 谷川 昇