【特 集 :再考,容器包装廃棄物】

容器包装廃棄物リサイクルへの自治体の取り組み

西ヶ谷 信 雄*

【要 旨】 容器包装リサイクル法が施行されてから1年を迎える。この法律は,法律案作りの時からいろいろと問題を抱えていた。しかし,関係者の努力もあって,法律の目指すところは現在の段階では機能している。しかし,市町村が肩代わりする中小企業,零細企業の負担,分別基準に対する消費者の役割分担,市町村の取り組みの多様化,循環型社会の構築のテザインの不在,リサイクルの条件との整合性,廃棄物の概念の見直し,平成12年4月1日の施行の問題など,これから取り組まなければならない問題が,数多くある。特定家庭用機器廃棄物リサイクル法が今国会で審議されている。このような状況の中で,ますます,廃棄物とリサイクルとの位置づけ,リサイクルを推進し,それと循環型社会形成にどう結び付けるか,今後の課題は大きい。

キーワード: 容器包装,リサイクル,分別基準,循環型社会,ミスマッチ

廃棄物学会誌,Vol. 9, No.4, pp.312-319, 1998

原稿受付 1998.4.3

* (社)全国都市清掃会議調査部長

連絡先:〒113-0033 東京都文京区本郷3-3-11