産業廃棄物処理施設設置手続をめぐる法的問題
山 下 淳*
【要 旨】 97年の法律改正により産業廃棄物処理施設の設置許可手続が大きく変化したが,これまで行われてきた自治体ごとの事前手続はなお維持される見込みである。本稿は,問題の核心が社会的な紛争であるという視点から,自治体の事前手続における都道府県,市町村,住民の役割認識を検討することを通じて,廃棄物処理法の事業許可手続では処理しきれない利害状況であること,むしろ紛争当事者間の交渉が可能となる枠組みを創り出すべきことを指摘する。
キーワード: 産業廃棄物処理施設,許可手続,住民投票,環境影響評価
廃棄物学会誌,Vol. 9, No.6, pp.444-452, 1998
原稿受付 1998.8.24
* 神戸大学法学部 教授
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