【特 集 :変革期を迎えた焼却処理―研究委員会研究活動(焼却部会)―】

新処理技術の展開

谷 川   昇*

【要 旨】 ごみ処理を取りまく状況は,ダイオキシン類削減問題,処分場の逼迫およびリサイクル型社会の構築等大きな転換期を迎えている。この状況に対応した新しい処理技術として,次世代型ごみ焼却技術の中核を担う「ガス化溶融炉」,焼却処理の重要な構成システムである「排ガス処理技術」,「灰資源化技術」および「エネルギー回収技術」の最新の動向を紹介する。また,水分の多い厨芥ごみの脱焼却処理として注目される「バイオガス化技術」の概要を紹介する。これら新処理技術は,ごみ処理問題の解決に向けた行政をはじめとする各方面の様々な取組において,地域的な特性やごみの性状を考慮した適切でかつ多様な選択肢を提供する意味で重要な役割を果たすと考える。

キーワード: ガス化溶融,排ガス処理,灰資源化処理,エネルギー回収,バイオガス化

廃棄物学会誌,Vol. 9, No.7, pp.470-486, 1998

原稿受付 1998.9.30

* 東京都清掃研究所

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東京都清掃研究所 谷川 昇