コンポスト化温度が悪臭発生量に与える影響
中 崎 清 彦*・倉 富 英 一*・脇 坂 裕 昭*・桧 山 玲 子*・藤 江 幸 一**
【要 旨】 好気的コンポスト化の過程で発生する主要な臭気成分であるアンモニアと硫黄系悪臭物質の発生量を中和滴定法およびガスクロマトグラフ分析装置を用いて定量し,コンポスト化操作条件の一つである温度を50℃と60℃に変えて,温度が悪臭の発生に与える影響を検討した。いずれの温度でもコンポスト化開始50時間目の炭素変化率で40%を超える付近からメチルメルカプタン,二硫化メチルおよびアンモニアが高濃度に発生したが,硫化メチルは50℃のコンポスト化のみで検出された。なお,コンポスト化温度によって臭気発生のパターンには差がみられ,メチルメルカプタンおよびアンモニアの累積発生量は50℃よりも60℃のコンポスト化で大きいが,その差は小さいことが確かめられた。
キーワード: コンポスト化,微生物,悪臭,硫黄系臭気,アンモニア
廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.1, pp.9-15, 1999
原稿受付 1998.2.24
* 静岡大学工学部物質工学科
** 豊橋技術科学大学エコロジー工学系
連絡先:〒432-8561 静岡県浜松市城北3-5-1
静岡大学工学部物質工学科 中崎 清彦