ごみマップによる廃棄物の管理システム手法に関する研究
柳 瀬 龍 二*・松 藤 康 司*・花 嶋 正 孝*
【要 旨】 本研究は廃棄物の排出抑制や資源化を図るため,不燃性収集ごみの排出量や集団回収による資源化量を小学校の校区毎にマップ化し,廃棄物と資源化物の排出特性や地域特性を明らかにしたものである。本研究成果を要約すると以下の通りである。(1)不燃性収集ごみの排出量は商業地区やレジャー地域が多く住居地域が少なかった。(2)資源化量は住居地域が多く商業地域で少なかった。(3)一般家庭の日常生活から排出される不燃性収集ごみ量の20〜30%が集団回収によって資源化されていた。(4)モデル校区をパッカー車単位で細分化した結果,近隣商店街からのごみ排出量は住居地区の1.7倍あった。(5)昼間人口と夜間人口の格差のある校区は,事業系一般廃棄物が収集ごみ中へ混入する量が多かった。以上,ごみ排出マップや資源化マップから,ごみ増加の主な要因は昼間人口の多い商業地区や近隣商店街からの排出であった。また,資源回収がごみの排出抑制に寄与していることも明らかとなった。
キーワード: ごみマップ,資源化率,不燃性収集ごみ,ごみ排出管理,地域特性
廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.1, pp.16-24, 1999
原稿受付 1998.2.16
* 福岡大学工学部
連絡先:〒814-0180 福岡市城南区七隈8-19-1
福岡大学工学部土木工学科 柳瀬 龍二