【論  文】

廃プラスチック油化のフィージビリティスタディ

――四国北部地域を対象として――

藤 原 健 史*・武 田 信 生*

【要 旨】 容器包装リサイクル法の中で「PETボトル以外のプラスチック製容器」の再商品化方法として油化が期待されているが,本論文では油化が広域におけるプラスチック処理法として有効かどうかを,エネルギー消費・環境負荷・コストの面から評価する方法を提案した。対象地域を四国北部地区とし,プラスチックの収集率ならびに前処理施設・油化処理施設の設置場所を変えた6つのケースで,シミュレーションを行った。その結果,1)油化に投入したエネルギーの約4倍のエネルギーが生産できること,2)エネルギー,環境負荷(CO2,NOx,最終処分量)そしてコストの中で輸送の占める割合は小さく,施設の占める割合が大きいこと,3)そのため施設を大型化した方がエネルギーやコストの点で効率が高いこと,などが明らかになった。

キーワード: 廃プラスチック,油化,フィージビリティスタディ,資源化

廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.1, pp.25-34, 1999

原稿受付 1998.4.1

* 京都大学大学院工学研究科環境工学専攻

連絡先:〒606-8501 京都市左京区吉田本町

京都大学大学院工学研究科環境工学専攻 藤原 健史