【研究報告】

廃棄物処分場遮水ライナーの性能評価について

勝 見   武*・Craig H. Benson**・Gary J. Foose***・嘉 門 雅 史****

【要 旨】 ジオメンブレンライナー(遮水シート),粘土ライナー,およびそれらの組合せによる複合ライナーは,廃棄物処分場の遮水工の基準としてわが国でも取り入れられているが,その設計法,性能評価法は工学的に確立されていないのが現状である。本文は,これらのライナーの性能の評価法について論ずるものであり,まず,ジオメンブレン,粘土ライナー各々の特性・性能,および複合ライナーとしての性能を,合衆国を中心とした研究成果のレビューにより示し,性能設計の基本的考え方を提示する。次に,これらのライナーの簡便性能設計法を紹介し,この設計法を用いてパラメトリックスタディーを行って,わが国で定められた遮水工の構造基準が欧米のそれと比べて著しく異なる性能であることを示す。

キーワード: 遮水工,ジオメンブレン,粘土ライナー,物質移行,性能設計

廃棄物学会誌,Vol. 10, No.1, pp.75-85, 1999

原稿受付 1998.9.14

* 京都大学防災研究所 助手

** ウィスコンシン大学マディソン校 准教授

*** フロリダ州立大学,フロリダA&M大学 助教授

**** 京都大学防災研究所 教授

連絡先:〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄

京都大学防災研究所 助手 勝見  武