【論  文】

一般廃棄物を用いた固形燃料化システムの有効性の評価

――エネルギー回収における環境負荷と社会的費用便益分析――

劉   庭 秀*・安 田 八十五**

【要 旨】 本研究は主に大都市地域から排出される一般廃棄物の固形燃料化と発電および熱回収における環境負荷と社会的な経済性を既存システムである清掃工場との比較分析を行い,未利用エネルギーシステムとしての有効性の総合評価を試みた。固形燃料化システムは,現在のプロセスであれば,環境負荷が多くなっているため,製造,焼却施設のプロセスの改善が要求されるが,高効率のエネルギー回収が可能であり,生産エネルギー一単位あたりの環境負荷は少ない。経済的な面でも省エネルギー効果,環境汚染物質削減効果といった社会的附加便益を加えると十分有効であると判断される。

キーワード: 固形燃料化システム,エネルギー回収,環境負荷,費用便益分析

廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.2, pp.67-76, 1999

原稿受付 1997.6.13

* 筑波大学大学院社会工学研究科

** 筑波大学社会工学系

連絡先:〒305-8573 茨城県つくば市天王台1-1-1

筑波大学社会工学系 安田八十五