下水汚泥溶融スラグの高流動コンクリートへの適用
緑 川 猛 彦*・桃 井 清 至**・丸 山 久 一**・坂 田 昇***
【要 旨】 下水道整備事業の進展により,下水汚泥は今後益々増加するものと予想される。下水汚泥は産業廃棄物として主に埋立処分されているが,埋立地の確保が困難なことから,焼却または溶融処理による減量化と同時にそれら溶融スラグの有効利用が模索されている。本研究は下水汚泥の建設資材への有効利用を目的に,バイブレータによる締固めを行わなくとも自ら充填するコンクリート(高流動コンクリート)への適用性をフレッシュおよび硬化性状について検討した。その結果,微粉砕した下水汚泥溶融スラグは,高流動コンクリート用混和材としてフレッシュ性状を満足できること,硬化後においても,通常の高流動コンクリートとほぼ同程度の性質を有することなどが明らかになった。
キーワード: 下水汚泥溶融スラグ,高流動コンクリート,ウェランガム,乾燥収縮,圧縮強度
廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.2, pp.77-86, 1999
原稿受付 1998.5.28
* 福島工業高等専門学校
** 長岡技術科学大学
*** (株)鹿島技術研究所
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福島工業高等専門学校 建設環境工学科 緑川 猛彦