【論  文】

ごみ焼却残渣溶融スラグの安定化技術に関する研究

谷 山 教 幸*・柴 田 泰 典*・山 本   彰*・守 岡 修 一*

【要 旨】 ごみ焼却残渣のプラズマ溶融処理(金属製トーチ使用)による水砕スラグを建設資材として利用を図るために,未改質スラグと磁選→破砕→熱水処理(約95℃のアルカリ性の熱水で処理)による改質スラグの品質,安全性について検討し,次に示すことを明らかにした。(1)未改質スラグは,コンクリート用砕砂や道路用スクリーニングスとしての粒度の規格を満足せず,川砂よりも品質が劣る。また,未改質スラグの一部において,有害重金属の溶出量が土壌環境基準を越えることがある。(2)改質スラグは,コンクリート用砕砂,道路用スクリーニングスとしての規格を満足し,かつ川砂相当の品質を有する。また,Pbなどの有害重金属の溶出量も土壌環境基準を満足し,有効利用の促進を図ることができる。

キーワード: ごみ焼却残渣,溶融,スラグ,熱水処理,有効利用

廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.3, pp.133-141, 1999

原稿受付 1998.9.1

* 川崎重工(株)

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川崎重工(株) 谷山 教幸