【特 集 :環境ラベル】

ISOにおける環境ラベル標準化の状況と廃棄物問題

上 原 春 夫*

【要 旨】 ISO(国際標準化機構)のTC207(207技術委員会)のSC3(第3分科委員会)では,タイプI, II, IIIの3種類の環境ラベルとこれら全体に適用する一般原則の,合計4件の規格の審議が行われている。5月から6月にかけて開催されるTC207のソウル総会で,足かけ6年にわたる環境ラベルの標準化の作業も一段落を迎えるものと予想される。タイプIは第3者認証によるもの,タイプIIは企業の自己主張に基づくもの,タイプIIIは環境情報のデータ開示のタイプとそれぞれ特徴のある環境ラベルであるが,ISO規格の発行後はそれぞれJIS規格として日本国内においても実施されることになる。これらの環境ラベルの中には廃棄物に係わるものも含まれており,自由な商品選択の行われる市場のメカニズムの中で,製品とサービスに関して,廃棄物削減,有効利用の指標としてその促進に寄与して行くべきものと期待される。

キーワード: 環境ラベル,タイプI,タイプII,タイプIII,廃棄物削減

廃棄物学会誌,Vol. 10, No.3, pp.208-214, 1999

原稿受付 1999.3.26

* (社)産業環境管理協会 調査企画部 技術参与

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