【調査報告】

シュレッダーダストの性状調査――鉛の溶出防止――

柿 本 幸 司*・白 井 義 人**・尾 川 博 昭*・泊   正 雄***・加 藤 安 彦*

【要 旨】 シュレッダーダストは廃自動車や廃家電品から鉄系の有価物を回収した残査であり,平成8年4月から管理型埋立処分を義務づけられるに至った産業廃棄物である。シュレッダーダストを環境庁告示法で溶出試験すると,鉛の溶出量は大幅に規制値を超過した。ダストの粒度別では,中程度のものからの溶出が最も多く,また種類別では,綿ゴミからの溶出が多かった。これらのダストを水洗処理したところ,鉛の溶出量はかなり減少した。さらに,ダストに炭酸アルカリ塩を添加することにより,溶出防止の効果があった。

キーワード: シュレッダーダスト,管理型廃棄物,鉛溶出性

廃棄物学会誌,Vol. 10, No.3, pp.228-240, 1999

原稿受付 1998.9.29

* 九州工業大学工学部

** 九州工業大学情報工学部

*** 泊技術士事務所

連絡先:〒804-8550 北九州市戸畑区仙水町1-1

九州工業大学工学部物質工学科 柿本 幸司