【論  文】

難燃化プラスチックの処理に関する研究

――ガス化燃焼法と湿式酸化法の比較――

岡   泰 資*・高 木 晋 洋*・内 田 剛 史**・若 倉 正 英**・足 立 文 雄**・小 川 輝 繁*

【要 旨】 臭素系難燃剤を含んだ廃プラスチックの処理を目的として,ガス化燃焼法および湿式酸化法を取り上げ,実験室規模の実験を行い難燃剤および三酸化アンチモンの挙動について検討した。その結果,ガス化燃焼法では難燃剤からの分解生成物として,臭化水素や臭化フェノールなどの生成が確認された。またアンチモンは熱分解ガス中に混入量の80wt.%近くが含まれる結果となった。一方,湿式酸化法ではアンチモンの飛散はなく,五酸化アンチモンとして反応容器内に残存することが明らかとなった。また臭素系難燃剤はその種類により完全に分解されるものと分解されずにそのまま回収可能なものとがあった。

キーワード: 難燃化プラスチック,ガス化燃焼,湿式酸化法,芳香族臭素化合物,三酸化アンチモン,廃棄物処理

廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.4, pp.196-203, 1999

原稿受付 1998.9.14

* 横浜国立大学工学部物質工学科

** 神奈川県産業技術総合研究所

連絡先:〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-5

横浜国立大学工学部物質工学科 岡  泰資