甘藷焼酎蒸留粕の有効利用に関する研究
――蘇生紙作製とその物理的・力学的性質――
山 内 正 仁*・平 田 登基男*・松 藤 康 司**・前 野 祐 二*・三 原 めぐみ***・米 山 兼二郎****
【要 旨】 焼酎蒸留粕の陸上での処理法は主に肥料化(農地還元)・飼料化等の資源化と焼却等のプラント処理に大別されるが,2001年の海洋投棄禁止に向けて,焼却等のプラント処理の占める割合が年々増加する傾向にある。本研究では,焼酎蒸留粕の中で特に処理に困窮している甘藷焼酎蒸留粕に,有効利用法の確立が今なお不十分である新聞古紙を添加し,中・低品位の蘇生紙を作製することを試みた。その結果,載荷圧力0.55kPa〜2.87kPaのもと,新聞紙の混合比1%〜7%において蘇生紙を作製することができた。特に,圧力0.55kPa,新聞紙の混合比7%では焼酎蒸留粕を蘇生紙内に完全保持することが判明した。また,各条件により作製した蘇生紙の物理および力学的性質についても明らかにした。
キーワード: 甘藷焼酎蒸留粕,新聞古紙,有効利用,蘇生紙,資源化,力学的性質
廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.4, pp.204-213, 1999
原稿受付 1998.4.9
* 鹿児島工業高等専門学校土木工学科
** 福岡大学工学部土木工学科
*** 鹿児島工業高等専門学校化学科
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鹿児島工業高等専門学校土木工学科 山内 正仁