家庭用生ごみ処理容器内堆肥の含水率低下方法に関する実験的研究
山 本 勝 彦*・豊 田 勝**・三 沢 眞 一*・金 野 隆 光**・野 中 昌 法**
【要 旨】 多くの地方自治体は,ごみ減量化対策として家庭用生ごみ処理容器を斡旋して生ごみを堆肥化している。市民が容器を使用するとき,使用者は容器内が嫌気的であるため,製造された堆肥が悪臭発生源となって困っている。悪臭は近隣にも影響することから,使用者の中には容器の使用を止める場合もある。筆者は,容器を現地で使用して,悪臭は容器内の堆肥が高含水率で維持され,嫌気性環境にあることが原因であることを把握した。そこで,7本の空気管を使用して約1年間放置するケースと,7本の空気管にそれぞれ排水管を接続して,最終処分場における準好気性埋め立て構造を容器内に取り入れるケースを考案して実験した。この結果,容器内堆肥の含水率は前者のケースでは約1年後に低下し,後者のケースでは約4ヶ月の短期間で低下することを確認した。
キーワード: 家庭用生ごみ処理容器,生ごみ堆肥化,含水率,空気管,排水管
廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.4, pp.224-231, 1999
原稿受付 1998.7.21
* 新潟大学大学院 自然科学研究科
** 新潟大学農学部
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山本 勝彦