内分泌攪乱化学物質のバイオアッセイによる評価
内 海 英 雄*・市 川 和 洋**・村 橋 毅**
【要 旨】 内分泌攪乱化学物質は,まだ毒性評価がなされていないために,疑われる物質のリストはあるものの,本当の意味で毒性物質の特定もなされていない。したがって,この内分泌攪乱化学物質の環境汚染状況を把握するには,環境試料の内分泌攪乱活性を評価し,攪乱物質量を推定することになる。内分泌攪乱活性を評価するには,簡易毒性評価手法である「バイオアッセイ」の利用が有効である。本稿では,内分泌攪乱性をどのように評価しようとしているか,またいかなるバイオアッセイが環境評価に適用できるかを概説する。
キーワード: 内分泌攪乱物質,バイオアッセイ,ホルモン転写活性,毒性評価
廃棄物学会誌,Vol. 10, No.4, pp.263-270, 1999
原稿受付 1999.7.7
* 九州大学大学院・薬学研究科 教授
** 九州大学大学院・薬学研究科
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内海 英雄