内分泌攪乱物質と廃棄物
白 石 寛 明*・中 杉 修 身*・橋 本 俊 次*・山 本 貴 士*・安 原 昭 夫*・安 田 憲 二**
【要 旨】 廃棄物埋立処分場からの浸出水中に存在する化学物質を特徴づけるため,400化合物以上を対象にガスクロマトグラフ―質量分析法を中心に用いて測定を行なった。外因性内分泌攪乱物質とされる化合物のうち,PCB,ダイオキシン,DDTなどの有機塩素系農薬のように疎水性の強い化合物の濃度は非常に低く,周辺の環境水レベルであった。一方,プラスチックに関連すると思われるフタル酸エステル,ビスフェノールAやフェノール類などの外因性内分泌攪乱物質とされる化学物質は,高い濃度で測定された。
キーワード: 外因性内分泌攪乱物質,ダイオキシン,フタル酸エステル,ビスフェノールA,埋立処分場
廃棄物学会誌,Vol. 10, No.4, pp.293-305, 1999
原稿受付 1999.6.15
* 国立環境研究所
** 神奈川県環境科学センター
連絡先:〒305-0053 茨城県つくば市小野川16-2
白石 寛明