【報  告】

ドイツにおける生物作用を用いたバイオ廃棄物の処理

河 村 清 史*・井 上 雄 三*・大 迫 政 浩*・山 田 正 人*

【要 旨】 ドイツの廃棄物管理システムにおいて,剪定廃棄物を含むバイオ廃棄物の処理は,包装廃棄物政令および一般廃棄物技術指針施行後の重要な課題となっている。前者は都市ごみにおけるバイオ廃棄物の割合を高いものにし,後者は埋立処分される残余物の有機物含有量を最少化することを要求している。このような状況において,生物作用を用いたバイオ廃棄物の処理に関するいくつかの試み,すなわちコンポスト化,嫌気性メタン生成および機械・生物的前処理がなされている。これらについての情報は,容器包装リサイクル法の完全施行後におけるわが国の廃棄物管理システムに有益かつ有用であると考えられることから,現状と課題について紹介する。

キーワード: ドイツ,バイオ廃棄物,コンポスト化,嫌気性メタン生成,機械・生物的前処理

廃棄物学会誌,Vol. 10, No.4, pp.317-325, 1999

原稿受付 1999.2.26

* 国立公衆衛生院廃棄物工学部

連絡先:〒108-8638 東京都港区白金台4-6-1

河村 清史