【論  文】

廃棄物最終処分場浸出水のオゾン/過酸化水素法,オゾン/紫外線法,過酸化水素/紫外線法による処理特性

宍 田 健 一*・春 木 裕 人*・神 尾 恵 一*・山 田 春 美**・小 坂 浩 司**・松 井 三 郎**

【要 旨】 本研究では,二次廃棄物の発生がなく微量汚染物質の分解除去が可能であることから,廃棄物最終処分場浸出水中に含有される微量有機汚染物質対策として期待される促進酸化処理法のうち,オゾン/過酸化水素法,オゾン/紫外線法,過酸化水素/紫外線法について,TOC,CODなどの各種水質指標に与える影響および微量汚染物質の分解能を比較検討することを試みた。その結果,オゾン/過酸化水素法はTOC,CODなどの水質指標・微量汚染物質の分解の両者において顕著な効果を示し,オゾン/紫外線法についても同様であった。過酸化水素/紫外線法はTOC,CODなどの水質指標の低減効果は低いが微量汚染物質の分解効果が得られた。微量汚染物質としてリン酸トリス(2-クロロエチル)の分解能を比較した場合,その効果は紫外線併用法では低く,オゾン/過酸化水素法では高いことが認められた。

キーワード: 廃棄物最終処分場浸出水,促進酸化処理法,オゾン/過酸化水素法,オゾン/紫外線法,過酸化水素/紫外線法

廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.5, pp.247-256, 1999

原稿受付 1999.1.19

* (株)タクマ

** 京都大学大学院

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(株)タクマ 水処理技術第一部  宍田 健一