【研究ノート】

造粒処理石炭灰の吸着剤としての利用

柿 本 幸 司*・中 野 靖 子*・白 井 義 人**・尾 川 博 昭*・加 藤 安 彦***

【要 旨】 微粉炭燃焼法および流動床燃焼法由来の石炭灰を,簡易な物理的処理(造粒ペレット化)によって各種有害物の吸着剤として有効利用する研究を行った。ペレットとしてはセメント添加量3wt%で粒径が3mm程度のものが油分,農薬などに対しいずれにも良好な吸着性を示した。工場跡地や操業中の工場敷地内の油分や他の有機化学薬品等による土壌汚染,あるいはゴルフ場の農薬散布にともなう水質汚染などの防止に有効であることが示唆された。

キーワード: 造粒石炭灰,吸着,農薬,油分

廃棄物学会論文誌,Vol. 10, No.6, pp.360-365, 1999

原稿受付 1998.7.6

* 九州工業大学工学部

** 九州工業大学情報工学部

*** 九州工業大学名誉教授

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