【特 集:廃棄物についての全国での活動――研究委員会研究活動(消費者市民部会)――】

ダイオキシン対策をめぐる政策提言活動

中 下 裕 子*

【要 旨】 ダイオキシン・環境ホルモン汚染は従来の汚染とは質的に異なる構造をもつ。対策の遅れは,種の存続の危機を招来しかねない。わが国政府の対応は遅れている。しかし,それを批判だけしていても問題は解決しない。NGOが有効な政策を提言し,実現させる必要がある。変革期には,むしろ大衆が先導的役割を果たすことは既に歴史が証明している。政策の立案には,学際的専門家と市民の協力が不可欠である。国民会議は,そのような活動を行う国民的組織として設立された。その提言は,立法,行政による取り組みを促し,ダイオキシン法の設立につながった。本稿では,国民会議の設立経過とその政策提言活動を紹介する。

キーワード: ダイオキシン,政策提言,NGO

廃棄物学会誌,Vol. 10, No.6, pp.427-431, 1999

原稿受付 1999.10.7

* ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 事務局長・弁護士

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