土壌・地下水汚染の診断修復システムの開発と不適正保管現場への適用例
古 市 徹*・石 井 一 英*・寺 尾 康**・森 下 兼 年***
【要 旨】 廃棄物に起因する土壌・地下水汚染が社会的な問題となっている。しかし,汚染現場を抱える多くの自治体は,修復を行うための方法論がないために,修復計画を構築するのに苦慮しているのが現状である。よって修復対策の方法論や手順の確立が望まれているといえる。本研究では,(1)廃棄物に起因する土壌・地下水汚染修復対策フローの提案を行った。(2)そして修復対策にスコーピングを導入し,浄化構想計画の位置づけとその重要性を明らかにした。(3)また汚染の調査から修復代替案の提案までを行う土壌・地下水汚染診断修復支援システム(診断修復システム)の構築を行い,実不適正保管現場にその適用を試みた。そして特に地理情報システム(GIS)を用いた汚染データ管理システムの有効性を明らかにした。
キーワード: 廃棄物,土壌・地下水汚染,診断修復システム,地理情報システム,スコーピング
廃棄物学会論文誌,Vol. 11, No.1, pp.38-47, 2000
原稿受付 1999.7.5
* 北海道大学大学院工学研究科
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北海道大学大学院工学研究科環境資源工学専攻