間欠運転ごみ焼却炉における酸化鉄触媒を用いたダイオキシン類抑制実証試験
今 井 知 之*・藤 井 泰 彦*・松 井 敏 樹*・中 井 資*
【要 旨】 機械化バッチ式都市ごみ焼却炉の燃焼室に酸化鉄触媒を吹き込んで燃焼実験を行った。その結果,触媒がダイオキシン類生成に対して顕著な抑制効果を持ち,消石灰と触媒の組合わせによって,燃焼排ガス中の塩化水素の高い捕捉機能を持つことが明らかになった。燃焼排ガス中のダイオキシン類は,触媒なしのときの生成量の20〜30%に減少し,飛灰も含め焼却炉から排出する全ダイオキシン類生成量を酸化鉄触媒によって削減できた。塩化鉄の生成がダイオキシン類生成に強い影響を持つことから,酸化鉄触媒からの塩化鉄生成の可能性について,熱力学的検討を行った。
キーワード: 間欠運転炉,酸化鉄触媒,ダイオキシン類,メモリー現象
廃棄物学会論文誌,Vol. 11, No.2, pp.67-73, 2000
原稿受付 1999.8.4
* 戸田工業株式会社
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戸田工業株式会社 今井 知之