超臨界二酸化炭素によるCCA処理木材からの金属抽出の可能性に関する基礎検討
竹 下 幸 俊*・佐 藤 芳 之*・西 史 郎*
【要 旨】 環境配慮型のCCA処理木材の処理技術の開発を目的に,超臨界流体を用いて木材からの金属の抽出を試み,温度,圧力,流速の影響について実験的に調べた。金属の抽出量は高温,高圧,低流速ならびにアセチルアセトンの添加により大きく増加することがわかった。アセチルアセトンの添加効果は,木材中の金属の錯体形成によることが推測され,このことからキレート剤を含む超臨界二酸化炭素によりCCA処理廃材から金属の抽出の可能性が示された。
キーワード: 超臨界二酸化炭素,抽出,金属,木材,アセチルアセトン
廃棄物学会論文誌,Vol. 11, No.2, pp.94-100, 2000
原稿受付 1999.7.19
* NTT生活環境研究所
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NTT生活環境研究所 竹下 幸俊