【総  説】

廃棄物と環境教育・環境学習

高 月   紘*

【要 旨】 廃棄物問題を解決するためには,廃棄物を削減するために市民と事業者の環境教育・環境学習が重要である。本総説では日本における環境教育・環境学習の流れを概説し,最近中央環境審議会からの答申「これからの環境教育・環境学習」の骨子を説明した後,廃棄物を通しての環境教育・環境学習の進め方,方向性について論述した。環境教育・環境学習は今や持続可能な社会を形成するための教育・学習であるとされ,学習者には具体的な環境保全への行動を促すことが求められている。廃棄物を通しての環境教育・環境学習では,リサイクルもさることながら,発生抑制をいかに行うか重要であり,そのためには体験型学習やワークショップ形式の学習によって具体的に廃棄物削減への行動を促すプログラムと人材養成の整備が必要である。

キーワード: 廃棄物減量,環境教育,環境学習,人材養成,体験型学習

廃棄物学会誌,Vol. 11, No.3, pp.223-231, 2000

原稿受付 2000.3.17

* 京都大学環境保全センター 教授

連絡先:〒606-8501 京都市左京区吉田本町