低公害ごみ収集車からの大気汚染物質の排出量の評価
谷 川 昇*・武 本 敏 男*・横 田 久 司**・舟 島 正 直**・浦 野 紘 平***
【要 旨】 ごみ収集の実態を調べて,ごみ収集車のごみ収集時における排出ガス性状を調べるためのごみ収集走行パターンを設定した。また,低公害ごみ収集車として試験導入したメタノールごみ収集車,液化石油ガスごみ収集車,圧縮天然ガスごみ収集車とディーゼルごみ収集車のごみ収集時と運搬時における排出ガス性状を調べて,低公害ごみ収集車によってNOx,粒子状物質および臭気の排出量は大幅に低減できるが,CO, THC, HCHOの排出量は必ずしも低減されないことを明らかにした。さらに,それらの結果から,1tのごみを収集・運搬したときの環境への大気汚染物質の排出原単位を求め,1995年の日本における都市ごみの収集・運搬に伴うNOx, CO, THC, HCHOおよび粒子状物質の総排出量を推定したところ,それぞれ2.2×103t/y, 1.1×103t/y, 1.6×102t/y, 9.0t/y, 2.6×102t/yとなることを示した。
キーワード: 低公害車,ごみ収集車,排出ガス,排出原単位,大気汚染物質
廃棄物学会論文誌,Vol. 11, No.4, pp.171-176, 2000
原稿受付 2000.3.13
* 東京都清掃研究所
** 東京都環境科学研究所
*** 横浜国立大学工学部
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東京清掃研究所(現在東京都環境科学研究所廃棄物研究室)谷川 昇