【報  告】

震災廃棄物の発生状況と中間処理

――甲子園浜における震災廃棄物処理記録として――

野 網 早 男*・吉 田 眞 二**・鎌 田   守*

【要 旨】 兵庫県南部地震で発生した震災廃棄物のうち,西宮市が指定した甲子園浜廃材仮置場が受け入れた207.5万tonにも及ぶ倒壊家屋等震災廃棄物について,概要をまとめた。その結果,解体家屋1棟あたりの廃棄物量,および単位面積あたりの廃棄物量を把握した。これらは,甲子園浜廃材仮置場に集積され,中間処理の後,最終処分場へ搬出された。震災廃棄物の大部分は,いろいろな廃材を含む混合物状態のものであるため,廃棄物の性状に対応した方法を考案しながら処理作業を行った。これらの経験は,今後の震災廃棄物処理対策に有効に活用されると考えられる。

キーワード: 震災廃棄物,仮置場,中間処理,破砕・選別プラント

廃棄物学会誌,Vol. 11, No.4, pp.305-315, 2000

原稿受付 1999.8.20

* (株)新井組 土木本店設計技術部

** (株)カンキョウ・クリエート

連絡先:〒662-8502 兵庫県西宮市池田町12-20