【論  文】
自治体ごみ処理に関する資源循環型社会度指標の提案および13大都市を対象とした調査分析

松 藤 敏 彦*・田 中 信 壽*・田 中   勝**・関 戸 知 雄**

【要 旨】 資源循環型社会の実現が,社会の共通目標になっている。しかし,その具体的な目標について定まったものはなく,各自治体は独自に設定しているのが現状である。本論文は自治体のごみ処理を対象とし,施策の目標を明確にし,達成度を評価するための指標提案を目的とした。まず,市民の意識・行動,自治体の施策に対する協力,理解などによって資源循環型社会度を測ることができると考え,指標項目を設定し,各指標ごとに一般性の高い質問群を選んだ。このアンケートを13大都市の市民に送付し,各都市の指標得点を求めたところ,都市ごとの特徴が明らかとなった。さらに,指標間の関係を解析することにより自治体のごみ処理施策がどのように指標得点に反映されているかを考察した。

キーワード:資源循環型社会,指標,市民,意識と行動,アンケート

廃棄物学会論文誌,Vol. 11, No.5, pp.251-260, 2000
原稿受付 1999.12.20  原稿受理 2000.6.14
* 北海道大学大学院工学研究科環境資源工学専攻
廃棄物処分工学分野
** 北海道大学大学院工学研究科環境資源工学専攻
都市代謝システム工学(荏原)講座
連絡先:〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目
北海道大学大学院工学研究科環境資源工学専攻 松藤 敏彦