橋 本 征 二*・寺 島 泰*
【要 旨】 建築物を対象として解体廃棄物の発生予測手法を検討するとともに,わが国の近未来における建築物解体廃棄物(いくつかの有害廃棄物および有害物質を発生させる可能性のある廃棄物を含む)の発生予測を行い,以下の結論を得た。1)解体建築物量の予測手法を,既存の統計データおよび建築物の寿命変化に対応できるものとして改善した。2)建築物解体廃棄物量の統計値は,過小推計となっている可能性が高い。3)解体廃棄物の発生量は2010年には1990年比で2倍程度になると予測された。木造と非木造を比較すると,今後は非木造からの発生が相対的に大きくなるが,その増加の主要因はコンクリートがらである。また,CCA処理木材,塩化ビニルの増加が顕著であり,2010年には1990年比で3倍程度になると予測された。
キーワード:建設廃棄物,解体廃棄物,有害廃棄物,建築物,寿命
廃棄物学会論文誌,Vol. 11, No.5, pp.271-279, 2000
原稿受付 2000.3.13 原稿受理 2000.7.21
* 京都大学大学院工学研究科環境工学専攻
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京都大学大学院工学研究科環境工学専攻 橋本 征二